2019年11月2〜4日の3日間、福岡県で第29回日本医療薬学会が開催され初めて参加しました。
幅広い分野の発表、シンポジウムが行われていましたね。
今回、医療薬学会に参加して考えたことを書きます。
当日行われた個々のシンポジウムの感想ではありませんので、ご了承ください。
メッセージは基本を勉強して参加することです。
発表者と参加者のギャップを小さくすることが大事
医療薬学会のシンポジウムは、発表者と参加者でギャップがあるなと感じました。
発表者たちの目的と参加者がシンポジウムに求めていることにギャップがあると有意義な時間になりません。
なぜ、ギャップができてしまうのか?
これは、発表者のレベル設定と参加者のレベル設定が異なることが原因ではないかと考えました。
- よくわからないな…
- 難しいな…
- 自分の求めている内容と違ったな…
学会に参加してこう考えたことはありませんか?
ぼくも自分のニーズやレベルにマッチしないシンポジウムを選んでしまったことは今でもあります。
今回の医療薬学会に参加しているときに、シンポジウムの参加者が有意義な時間をすごすために何をしたらよいか考た結果、基本を勉強して自分が理解できるシンポジウムに参加する。
そうすることで発表者と参加者のギャップが小さくなります。
自分が理解できるシンポジウムに参加するとよい
自分のレベル以上の話を聴いても理解できません。
- よくわからない…
- この分野は難しいから無理…
と、あきらめてしまい先に進めなくなります。
シンポジウムのタイトルや要旨を読んで、確かにこのテーマは以前から議論があるし聴いてみたい!
であれば有意義にな時間になるでしょう。
シンポジウムによっては、初学者を対象にした内容もあります。
言葉の意味を理解していれば、きっと有意義な時間にできるでしょう。
自分のレベル以上だった薬剤師に伝えたいこと
シンポジウムのスライドを写真に撮っている方は、おそらく、自分の知らないことだったからメモするために写真を撮っているのだと思います。
もしそうだとすれば
この内容、医学書で勉強できます。
これを伝えたい。
もちろん、理解していて、内容をまとめた図を本やwebで見たことがないから
- この秀逸なまとめスライドを写真におさめたい!
- メモするより写真で撮るほうが早い!
- 引用文献を記録したい!
という理由もあるでしょうから、すべての方がそうではないでしょう。
※ ただし、スライドを写真に撮ることを禁止しているケースがほとんどなので注意が必要ですよ。
知らなかった知識をメモすることが多い方は、それを勉強できる医学書を知りたいと思っているのではないでしょうか?
とあるシンポジウムでGoogleフォームを使ってリアルタイムにアンケート結果、質問を確認しながらシンポジウムを進行していました。
その中の質問でこんな意見を見ました。
この知識を勉強できる本を教えてください
やはり、みなさん発表者がやっていることを取り入れたい思いがあってシンポジウムに参加しています。
勉強できる本が知りたいですよね。
これをシンポジウムの前に勉強できていれば、より有意義な時間をすごすことができます。
予習することで理解しやすくなります
シンポジウムを有意義な時間にするために実践すること
せっかく時間を使って参加するシンポジウムを有意義な時間にするために実践したほうがいいことは、
基本的な知識を勉強しておく
これが重要です。
教育講演を想定して初学者を対象にしたシンポジウムだから何も知らなくても大丈夫!
では、もったいないです。
シンポジストの先生は、1人あたり20分程度しか時間がないので短時間で説明するには無理があります。
大学の講義も1つのテーマを初学者に解説しようとすれば、20分では終わらないでしょう。
事前に予習をすることをおすすめします。
そうすれば聴講しているときに余裕ができて質問したいこともでてきます。
基本的な知識を勉強する方法がわからない
勉強する方法がわからないのが最大の問題です。
これは個人の問題ではなく薬剤師卒後教育の仕組みに問題があるのが原因でしょう。
職場によっては、施設の教育プログラムや図書が充実していたり、先輩から本を教えてもらって勉強する薬剤師もいます。
ただし、ブログでこの記事を執筆した2019年11月の時点で、多くの方がそのような環境が整っていない印象です。
教えてくれる先輩がいるかどうかは、ほぼ運です。
独学でやらなければならないと感じています。
独学で勉強するにはどうすればいいのか?
今は、インターネットやSNSで調べることができます。
SNSを活用すればエキスパートの方と交流できますよ。
ぼくは、Twitterを活用しています。
書籍を購入するときは、薬剤師、医師、看護師と医療従事者のブログを読んで、おすすめ医学書を調べて、本屋で内容を確認して買ってました。
通算200冊以上は購入してます。
その経験を活かして みなさんに効率よく勉強していただく手助けになればとブログで本を紹介させていただいてます。
シンポジウムの発表者たちにも苦労があります
発表者は、シンポジウムの趣旨によって内容のレベル設定が変わってきます。
エキスパートたち、意見が分かれる内容を議論するので、高いレベル設定にしてしまうと参加者がついていけません。
さらに、「医療薬学会」や「プライマリ・ケア学会」など、幅広い分野にわたって参加者がいる学会になると、さまざまな理解度の方が聴講します。
シンポジウムの目的が、判断に迷うケースを薬剤師としてどう考えるか議論したいの場合、初学者が付いていくには難しい内容になってしまいます。
逆に、初学者に明日から使える知識を発表し、多くの薬剤師が実践し、底上げや教育的な要素がシンポジウムの目的の場合もあるでしょう。
そうなると基本的なことを理解している薬剤師は、物足りなくなってしまいます。
今回参加した医療薬学会は、若手から中堅、管理職と幅広い層が参加します
そのためシンポジウムのレベル設定が難しいと言えるでしょう。
シンポジウムを運営する側は、多くの方に聴講していただきたいですからね。
聴衆を置き去りにして自分たちだけが楽しければいいと考えていませんから、有意義な議論を求めているはずです。
また、医療薬学会の運営側の事情なのか、「教育講演」という分類がないのが、シンポジウムの発表者と参加者のレベル設定のギャップができやすい原因かもしれませんね。
これは、仕組みの問題でしょう。
シンポジウムは本と似ている
ぼくは、本とシンポジウムって似ていると考えてます。
売れる本ってどんな本だと思いますか?
- 話題の本
- 幅広い層に人気の本
- 有名な人が書いた本
- わかりやすい本
- ステップアップするための本
自分の目的なレベルに合った本をみなさん買いますよね。
これをシンポジウムに置き換えてみます。
- 話題の本
→ 話題になっているテーマのシンポジウム - 人気の本
→ 幅広い層が参加するシンポジウム - 有名な本
→著名な人が発表するシンポジウム - わかりやすい本
→ 初学者を対象とした教育的なシンポジウム - ステップアップするための本
→より専門的な議論をするシンポジウム
自分が何を目的にしているかで選ぶ本(シンポジウム)が変わります。
著者(発表者)と読者(参加者)のギャップが小さくなるといいですね。
シンポジウムの発表者たちは、目的にそった内容にするため試行錯誤し、よりよいシンポジウムにするために打ち合わせをかさねています。
参加者も事前に基本的なことを勉強すると、より有意義な時間をすごすことができますよ。
シンポジウムを有意義な時間にするために薬剤師が実践すること
繰り返します。
シンポジウムを有意義な時間にするために実践することは、
基本的な知識を勉強しておく
これが重要です。
そうすれば、シンポジウムに能動的に参加できるのではないでしょうか。
そのために、どのような本を読めばいいのか?
このブログで紹介できればと考えています。
よかったら、こちらの記事も読んでみてください。
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