循環器は高血圧、心不全、不整脈などよく聞く疾患があり多くの薬剤師がかかわる疾患ではないでしょうか。
しかし薬剤師が理解できて実務に活かせる少ない印象です。
急性期に使用される本は一歩間違えると命にかかわるのでしっかり勉強したいですね。
薬剤師の世界では、循環器は2018年ごろから薬剤師が注目している診療科だと感じています。
医療薬学会のシンポジウムで企画される事が増えてきている印象です。
がん領域でもカルディオ オンコロジーという言葉が注目されています。
循環器疾患を勉強するときに医師向けの本を手にとって挫折したことはありませんか?
心不全、不整脈、心電図のさまざまな本があり、これらの専門書を買って勉強するぞ!
と意気込んでもなかなか続きません。
なぜなら、薬剤師に必要な知識を明確にしていないからです。
何を勉強したらよいかわからないから全部しよう!
とすると優先順位が低い内容を勉強したり、その知識をどのように活かせばよいのかわからず勉強するモチベーションにつながりません。
この記事では循環器の勉強をする薬剤師におすすめの本を紹介します。
もちろん看護師にもおすすめの内容です。
医師向けは薬物療法で役立つ本をピックアップしています。
このブログを書いている人は
病院薬剤師歴20年年目! → プロフィール
抗菌化学療法認定薬剤師、元NST専門療法士で医療専門書の購入歴300冊以上です。
わかりやすい本や他にない切り口の本を見つけるとテンションが上がります。
X(Twitter)でおすすめの本をつぶやいていますのでフォローしてくださいね!

わかりやすい、コスパが高い本を選ぶようにしています!
イメカラ 循環器
薬の勉強をする前に病態を理解するといいですよ。
まずは「イメカラ」で解剖生理を勉強することをおすすめします。
何故この薬を使うのか?
病態を理解していると処方意図がわかります。
そして、無効なときは次にこの薬を使う理由がイメージできるようになる。
初学者がまず最初に読む本は「イメカラ」です。
病気がみえるvol.2循環器
有名な「病気がみえる」シリーズの循環器です。
辞書代わりに使用する本です。
もちろん、通読しても構いません。
結構難しいことまで書いてあるので
イメカラの次に読むと理解が深まります。
医学生、医師、看護師のほとんどの方が手にしている本です。
薬剤師にもきっと有用なこと間違いなし。
まるごと図解 循環器疾患


解剖生理を勉強したら臨床に即した病態を理解しましょう。
薬剤師が循環器を勉強するときにわかりやすくておすすめの本は、大八木 秀和先生の「まるごと図解 循環器疾患」です。
循環器疾患に関わる薬剤師がおさえてほしい内容をまとめた本が効率よく勉強するポイントになってきます。
まるごと図解がこの本をおすすめする理由の1つです!
そして例えが秀逸でわかりやすい。
これ以上にないくらいわかりやすさを重視しています。
イメージがあれば疾患を理解しやすく頭に残りやすいです。
心不全は、ポンプや電車のホームを例えにしたり
不整脈は、楽器や恋愛に関する話を例えにしたり
多くの人がとっつきやすい例えで書いてあります。
初学者はまずはこれで全体像をざっくり理解して他の本で理解を深めれば十分です。
時間がない方は、イラストだけ眺めるだけでも頭に入ってきます。
疾患のイメージがつけばなぜこの薬を使うのか理由がわかり薬物療法への理解が深まりますよ。
まるごと図解がこの本をおすすめする理由の1つです!
そして例えが秀逸でわかりやすい。
これ以上にないくらいわかりやすさを重視しています。
イメージがあれば疾患を理解しやすく頭に残りやすいです。
心不全は、ポンプや電車のホームを例えにしたり
不整脈は、楽器や恋愛に関する話を例えにしたり
多くの人がとっつきやすい例えで書いてあります。
虚血性心疾患、心不全、不整脈など幅広く勉強できるので、
初学者はまずはこれで全体像をざっくり理解して他の本で理解を深めれば十分です。
時間がない方は、イラストだけ眺めるだけでも頭に入ってきますよ。
疾患のイメージがつけばなぜこの薬を使うのか理由がわかり薬物療法への理解が深まります。
ちょうどよいレベル設定で初学者が最初に読むのにおすすめです!
循環器治療薬ファイル
村川裕二先生の名著「循環器治療薬ファイル」です。
循環器の薬の具体的な使い方を勉強するにはこの本が必須!!
引用文献もまじえつつ、薬の使用感を書いてくれる本は希少です。
薬の使い分けを勉強するなら、この本を買って読み込めば他はいらないのではないか?というくらい幅広い分野を書いてくれています。
循環器科以外の医師から、
「この薬どう使ったらいい?」
と相談されたときに、添付文書に書いてあるお決まりの返答よりも
具体的な使い方を伝えることができる有用な本であることは間違いないです!
価格に見合う価値がある「循環器治療薬ファイル」です。


不整脈治療薬ファイル
村川裕二先生の本「不整脈治療薬ファイル」です。
循環器治療ファイルの姉妹本、抗不整脈薬に特化した本です。
2010年に発刊され、古くなってますが、抗不整脈薬は2020年の時点でも新規薬剤はあまりありません。
循環器治療ファイルで勉強して、不整脈のことを詳しく勉強したいときに読むといいですよ。
この本も村川先生の独特な語り口は健在です!
抗不整脈薬は専門医でないと細かい使い分けが難しいです。
しかし、各薬剤の特徴をふまえて専門医につなげるまでのつなぎとして対応することがあります。
薬剤師が処方提案をするときは、
リズムコントロールではなく、βブロッカーでレートコントロールを提案する方が無難です。
しかし、各薬剤の特徴を知ると使いやすい薬にしぼってリズムコントロールを提案することもできます。
循環器医師の使用感を知りたければ、「不整脈治療薬ファイル」がおすすめです。


薬剤師のための心電図の初学者におすすめする本
まずは、心電図がまったくわからない初学者におすすめする本を紹介します。
3冊のうちどれにするかは好みで決めてよいでしょう。
不整脈の種類はたくさんあります。
それぞれどのような特徴があるか、初学者が覚えるのは大変ですよね。
薬剤師は特に馴染みがない分野なのでぼくも大変でした。
なにか、初学者にきっかけを与えてくれれば
コツをつかんだように身につくのではないか…
そう考えていたときに「もう忘れない!早わかり心電図」に出会い、一気に理解が進みました。
僕のおすすめは「もう忘れない!早わかり心電図」ですね。
心電図を理解するためには基本を理解しなくてはいけません。
心電図の記録用紙の見方をまず理解しましょう。
これが理解できたら
- P波
- PQ時間
- QRS波
- ST部分
- T波
この意味を説明できるようになりましょう。
これを理解できると
QRS波が幅広くなるということは心室の伝導時間がゆっくりになっている。
つまり心室性期外収縮や脚ブロックがある。
これがわかります。
もう忘れない!早わかり心電図 たとえで覚える心臓の動きと心電図の読みかた


不整脈を看護師の業務の流れにたとえて説明してくれます。
心臓の電気伝導を看護師の師長、主任、スタッフの業務伝達に例えているのですが、
これがものすごくわかりやすい!頭に残りやすい!
看護師向けですが、心電図が全くわからない薬剤師も心電図の1冊目におすすめします。
十二誘導心電図については、あまり詳しくふれていませんが、むしろちょうどよいです。
- 心電図の基本
- よく出会う頻脈、徐脈をはじめとした不整脈
- 狭心症、心筋梗塞、ペースメーカー波形
- 抗不整脈薬の特徴をざっくり説明
- 電解質異常のときの心電図変化
- 肥大型心筋症やブルガダ症候群なども記載
看護師向けの本だからとあなどるなかれ!
約150ページにこれだけの情報が詰まってます。
不整脈を集中的にやるだけでも本書の価値は十分にあります。
余裕がある方は、狭心症、心筋梗塞に手を出せばよいですが、個人的には薬剤師に必須ではないと考えています。
また、抗不整脈薬の薬物療法についてもっと勉強したい方は他書でしっかりと勉強することをおすすめします。
「もう忘れない!早わかり心電図」で不整脈の世界観をつかんでレベルアップするため2冊目の本を選びましょう。
さまざまな不整脈について記載されているので幅広い内容を勉強できコスパも高いですよ。


心電図を見るとドキドキする人のためのモニター心電図レッスン
薬剤師、医師のダブルライセンスをもつ大八木 秀和先生の本です。
こちらも看護師向けの本ですが、薬剤師でも理解できるおすすめ本です。
病棟で最低限必要な心電図の知識を1冊にまとめてくれてます。
初学者にちょうどいい内容です。


薬剤師のための心電図のスキルアップにおすすめする本
ぼくのメンターである薬剤師の先生は、循環器と心電図の勉強を集中的にやった結果、循環器医とディスカッションするまでのレベルに達していました。
非専門医から相談を受けたり専門医に橋渡しをするレベルまでになったからすごいですね。
その薬剤師に聴いた話ですが、薬剤師が心電図を活かしやすいのは不整脈の分野だろう。
不整脈で電気の流れがどのように起こっているのか
これをイメージできるようになると良い。
どこに異常がおこると
どのように波形が変化するのか
これがわかるようになると応用が効く。
これは暗記が大変だなーって思っていたぼくは衝撃を受けました。
心電図の勉強は奥が深いです。
さまざまな本がありますが、薬剤師にちょうどいい必要な知識にしぼって勉強しないと目的を見失います。
循環器領域の薬剤師の処方支援は、ブログ執筆時点の2019年で、まだ未知の領域。
これから作っていくのだなと感じています。
まずは、抗不整脈薬の処方支援から始めることを目標にしてはいかがでしょうか。
レジデントのための これだけ心電図
研修医向けの本です。
著者は「看護の現場ですぐに役立つモニター心電図」の佐藤先生です。
“大事なとこだけしっかり解説” と記載されているように
必要なことを重点的に解説しています。
初学者向けで勉強した内容を掘りさげて理解を深めるのに有用です。
薬剤師でも理解できるので安心してください。
おすすめの本です。
薬剤師よ, 心電図を読もう!
大八木 秀和先生の本です。
薬剤師が心電図を活用するために必要な知識はこれですという内容にしぼって記載されてます。
心電図を勉強するとすべてをマスターしないといけない印象があります。
“過ぎたるは及ばざるがごとし”何事も自分に必要な内容を繰り返し勉強するのが大事だと著者の先生にいただきました。
初学者向けの本を先に読んでから手に取ると効率よく勉強できますよ。
薬剤師のために書かれたおすすめの本です!
心電図波形のわからないことを調べるときに使う本
心電図をより深く勉強したい方におすすめする本です。
正直、薬剤師にここまで必要ないのでは…という本もあります。
辞書がわりに使ったり、循環器の医師とディスカッションするレベルになりたければ必要な本です。
心電図の読み方パーフェクトマニュアル 理論と波形パターンで徹底トレーニング!
研修医たちに絶大な指示を得ている本です。
2006年に発刊してから時間が立っていますが今も色褪せることなく人気の本です。
この1冊をマスターすれば、心電図はこわくないというほど。
薬剤師が1冊目に読むと挫折します。
ただ、辞書がわりに使用したり、医師とディスカッションするレベルに達した薬剤師はこの本を持っている、そんな印象です。
心電図を活用した薬物療法支援をしている薬剤師は、この本を持っていました。


心電図を薬物療法に活かしたいならモダトレがおすすめ
心電図は薬剤師にとって未知の領域という印象が強いです。
薬剤師に心電図を活用して薬物療法支援をする方法を解説した本があります。
モダリティを薬物療法に活用した例を記載してくれた今までにない本です!
「モダトレ」に記載されている内容を実践するためには
心電図の基本を勉強しなければなりません。
薬剤師が心電図を理解するためにおすすめの本を紹介します。
医師・看護師向けの本もピックアップしています。
「【モダトレ】薬剤師が心電図、画像検査を薬物療法に活かすための本」に読んだ感想を書いているので見てくださいね





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