病院薬剤師Dの軌跡

おすすめ本や勉強したことを書く病院薬剤師です。

外科病棟の薬剤師におすすめする「レジデントノート2019年6月 血糖コントロール 病棟での『あるある』を解決します」

f:id:byoyakud:20190812080940j:plain

病院薬剤師、特に外科、産婦人科、高齢者が多い病棟を担当する薬剤師におすすめの本が

「レジデントノート2019年6月 血糖コントロール 病棟での『あるある』を解決します」です。

タイトルで即買いし、すぐに読みました。

病棟での血糖コントロールを専門医の先生方がこうしている、を書いてます。

周術期、周産期、高齢者、経腸栄養、TPNなどよくあるケース。

まさに「あるある」ですね。

ある程度、病棟の血糖コントロールを経験したことがある方は、

医師の処方意図、考え方にふれることができます。

初学者は、知らない用語がでてきたりでスラスラと読めないと思うので

まずは別の本で勉強されるのをおすすめします。

レジデントノート2019年6月 血糖コントロール 病棟での「あるある」を解決します

  • 対象: 医師、病院薬剤師
  • おすすめ度(5段階):★★★★☆
  • コスパ:(5段階) :★★★★☆

おすすめポイントを3つ

  • 具体的なインスリン単位の考え方がわかる
  • 引用文献に基づいた血糖管理の目標がわかる
  • インスリンを中止するときの考え方がわかる

具体的なインスリン単位の考え方がわかる

よくいわれているのは

1日の総インスリン単位 = 体重 × 0.2単位

この総インスリン単位を持効型と超速効型に分配して単位を決めるやりかたです。

BOT(basal supported oral therapy)やインスリンを経口血糖降下剤にスイッチするときの考え方も勉強できます。

インスリンの単位数あたりの経口血糖降下剤の用量は

現時点で具体的な基準がないと思うので、経験に基づくものが多い印象ですが、

概ね、私の印象に近かったです。

輸液内に混注するインスリンの単位もブドウ糖5〜10gに対し速効型インスリン1単位も感覚が近くて安心しました。

症例によって異なるのでフローチャートにように決められないので経験をつんでズレ幅を小さくしていくのがいいです。

ぼくにインスリンの考え方を指導してくれる医師は

輸液内にインスリンは混注せず、持効型インスリンを使いなさいといと指導いただくのですが、

主治医の意向にそって、TPN内にインスリン混注を提案して、

経腸栄養や経口摂取に移行するときに苦労します…

TPNが中止と同時に輸液内のインスリンもなくなるので、

持効型インスリンに切り替えるときのうつタイミングとか単位設定のやり直しに数日要するからです。

ケースバイケースですが、TPN内にインスリンを混注するときは頭に入れてたほうがよいですね。

他にも、膵切除術後やステロイド精神病も悩ましいケースです。

「あるある」Q&Aも読み応えあり。

引用文献に基づいた血糖管理の目標がわかる

NICE-SUGER studyをご存知ですか?

ICUの重症患者における血糖コントロールに関する論文ですが、

厳格な血糖コントロールは推奨されません。

低血糖をおこすリスクが高くなるからです。

それをふまえ海外、本邦のガイドラインでは

入院の重症患者、非重症患者の血糖コントロールの目標を140−180mg/dLとしてます。

低血糖にしないことが重要です。

インスリンを中止するときの考え方がわかる

術前のインスリンや、シックデイの対応などが勉強できます。

シックデイは薬剤師だけの判断で対応を決めれないので医師の指示が必要ですが、

考え方を知るのはいいことです。

これ、ほんと「あるある」です。

ぼくも、がん化学療法をしている方のインスリン、内服血糖降下剤は、

事前に食事摂取量がさがったときの対応を処方元の医師に確認するよう説明してます。

ここも読んでほしい

特集とは別ですが、慢性便秘症治療薬の正しい使い方の項目もおすすめですよ。

最近の薬剤がまとめてあり、整理できます。

読み終えたらこの本もおすすめ

インスリンの使い方を勉強したい方は“入院インスリン治療マスターブック”がおすすめですよ。