感染症

薬剤師は「medicina 2019年6月 抗菌薬をアップデートせよ!」を読もう

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2019年に抗菌薬をアップデートするには「medicina 2019年6月 抗菌薬をアップデートせよ!」が最適!

おすすめポイントを3つ

  • 最近の論文、ガイドラインをもとに記載されている
  • 新規発売の抗菌薬も記載されている
  • さまざまなの感染症治療について記載されている

すべての薬剤師におすすめできる本です。

大曲先生と岸田先生の対談が読めるなんて豪華!

岸田先生の「新しい抗菌薬適正使用」とは

耐性菌は制圧するのではなく、上手く共存する

新しい視点で新鮮な気持ちになり勉強になりました。

読まないと抗菌薬適正使用の新しい波に乗り遅れますよ。

medicina 2019年6月 抗菌薬をアップデートせよ!

  • 対象: 医師、薬剤師
  • おすすめ度(5段階):★★★★★
  • コスパ:(5段階) :★★★★★

最近の論文をもとに記載されている

“アップデート”とタイトルにあるからには

最新の論文、ガイドラインにもとづいて記載されています。

ありがたい!

ぼくが気になった論文はこちら

  • 骨・関節感染症で、最初の6週間の経口抗菌薬治療は静脈内抗菌薬治療に対して非劣勢(NEJM 380:425-436,2019 PMID:30699315)
  • 感染性心内膜炎で一部経口抗菌薬投与が静脈内投与に対し非劣勢(NEJM 380:415-424,2019 PMID:30152252)
  • ペニシリンとセファロスポリンの交差アレルギーは8%と言われていたが、最新の論文では2%(JAMA 321:188-199,2019 PMID:30644987)
  • Tokyo Guidelines 2018 では、GPCの血流感染を伴う急性胆管炎・胆嚢炎の場合には最低2週間の治療を推奨

他にも色々ありますのでぜひ、本書をご覧ください。

新規発売の抗菌薬も記載されている

新薬もアップデートしましょう

フィダキソマイシン

CDI(Clostridioides difficile infection)の治療薬です。

あれ?と思ったかたがいるでしょうが、

CDIの名前が変わりましたね。

以前は

Clostridium difficile infection(クロストリジウム・ディフィシル感染症) と呼ばれてましたが、

2016年に分類が見直され、クロストリジウム属から外れました。

新しく分類された、クロストリディオイデス属となりClostridioides difficile infection(クロストリディオイデス・ディフィシル感染症) に改名されました。

今後はこちらに呼び名が変わっていくでしょう。

初回治療にフィダキソマイシンとバンコマイシンを比較した2つの前向きランダム化比較試験で、治癒率は同等でしたが、1ヶ月以内の再発率はフィダキソマイシン群で有意に低いことが示されてます。

また、

初回再発例に対しフィダキソマイシンとバンコマイシンを比較した2つの前向きランダム化比較試験で、28日以内の再発率はフィダキソマイシン群で有意に低いことが示されてます。

フィダキソマイシンは薬価3943.8円/錠(2019年6月時点)なので1日2錠服用すると約8000円です。

バンコマイシン散500mgは先発品の薬価2536.6円/瓶(2019年6月時点)、1日1〜4瓶となっているので、1日4瓶使用すると10000円になりますが、多くの症例は1日1瓶で治療できる印象です。

後発品はを使用すれば1113.1円/瓶(2019年6月時点)なのでもっと安くなります。

再発率が低いのは有益ですがコストがかかるため、ファーストで「フィダキソマイシン」を使用しないですね。

テジゾリド

2018年に承認された新しい抗MRSA薬です。

適応症はMRSAによる皮膚軟部組織感染症。

大規模臨床試験(ESTABLISH-1、ESTABLISH-2)で、皮膚軟部組織感染症の治療においてリネゾリドと比較し非劣勢が示されてます。

リネゾリドはSSRIと相互作用がありセロトニン症候群のリスクがありますが、テジゾリドは添付文書に記載がありません。

錠剤と、点滴静注用の2剤形があり、薬価は2019年6月時点で

200mg錠 20801.4円/錠

点滴静注用200mg 28084円/瓶

非常に高価!

安価に使用できるクリンダマイシン、ST合剤、テトラサイクリン系抗菌薬をが使用できないときに考慮したほうがよいでしょうね。

セフトロザン/タゾバクタム

承認時の時点で新しいセフェム系抗菌薬です。

ブログ執筆時点の使い所は腹腔内感染症、尿路感染症です。

緑膿菌を含めたグラム陰性桿菌に有効で、タゾバクタムを配合しESBL産生菌にも有効と考えられています。

ただし、嫌気性菌に活性がないため腹腔内感染症では、メトロニダゾール注射液と併用することとなっている。

????

って感じですね…。

安易に使用せず、他剤で耐性になった緑膿菌、ESBL産生菌での使用に限定したほうがよいでしょうね。

バロキサビル

昨年なにかと話題になった抗インフルエンザ薬ですね。

詳細は省きますが

  • プラセボと比較し罹病期間を1日短縮するが、 オセルタミビルとは差なし
  • インフルエンザウイルスの排出期間をプラセボ、オセルタミビルと比較し有意に短縮
  • バロキサビル服用患者の1〜2割は耐性ウイルスが検出される

薬価は1日4,789円(2019年6月時点)と高価です。

オセルタミビルは先発品で1日2,720円、後発品で1日1,360円と安価。

1日罹病期間を短縮してくれる価値観は個々で異なるため、すべての患者で使用すべきではない!とは言いませんが、メリット、デメリットを理解したうえで判断した方がよいですね。

さまざまなの感染症治療について記載されている

  • 呼吸器感染症
  • 尿路感染症
  • 腹腔内感染症
  • 胆道感染症
  • 性感染症
  • 中枢感染症
  • 感染性心内膜炎

主要な感染症は網羅できています。

また、内服抗菌薬についても臨床でよくあるケースも記載があります。

以下の抗菌薬ばかり使用していませんか?

  • 第3世代セフェム
  • マクロライド
  • ニューキノロン

これを機にアップデートしましょう!

時代の流れに乗り遅れますよ!

よろしければこちらの記事も読んでみてください。

薬剤師のためのペニシリン系抗菌薬アップデート【2019年】

薬剤師のためのセフェム系抗菌薬のアップデート【2019年】

薬剤師のためのカルバペネム系抗菌薬のアップデート【2019年】

薬剤師のためのキノロン系抗菌薬アップデート【2019年】

読み終えたらこの本もおすすめ

レジデントノート増刊号のこちら

「免疫不全患者の発熱と感染症をマスターせよ!」

化学療法中の患者や

免疫抑制剤を使用している患者に対して

感染症をどう考えればよいか役立ちます。

「免疫不全患者の発熱と感染症をマスターせよ!」を読むと何が勉強できるかは、こちらの記事を参考にしてください。

発熱性好中球減少症(FN)の勉強したこと【2019年】

免疫不全患者の感染症で勉強したこと【2019年】

ステロイド、生物学的製剤に伴う感染症リスク【2019年】